地域の方に「今日はお寺でどんど焼きがある」という話を伺ったので、小畑集落にある附属寺を少し覗いてみました。
どんど焼きとは、正月に飾ったしめ縄や門松を燃やす習わしのことをいい、全国的に行われています。この火にあたると無病息災・五穀豊穣などのご利益があると言われています。全国的には、小正月(1月15日)の前後に行われることが多いようです。
自分が訪れた時間帯は、まだお寺の建物の中で、住職と地域の人が集まって行事をとり行っていたため、どんど焼きをしているところは見られませんでしたが、地域の人がお寺に持ち込んだ飾り終わった正月・小正月飾りの山を見ることができました。
小正月(モチイ)は、「女の年とり」ともいい、正月の帰省客や来客の接待などで疲れた女性たちを慰労する意味もあるそうです。小正月には、日ごろ使っている農具や山仕事の道具を縁側や軒に並べて、「にゅうぎ」(縦に二つに割られた細長い木に「十二月」と書いて立てかける)とともに供えて感謝します。
また、水窪の一部の地域・家では、小正月に「削り花」を飾ります。削り花は、クルミやイヌツゲなどの白みが強い木の枝を小刀で削って花に見立てたもので、カシの木の枝などに挿して飾られます。
小正月は、年の初めに1年の生業の成就や作物の豊穣を祈る(「予祝」という)大事な習わしです。花々は全ての実りの源であり、それを象徴した「削り花」を飾るのも、その一環だと言われています。
水窪は、天竜区の中でも特に小正月の習わしが深く根付いている印象を受けます。土地がやせていて畑が少ない土地柄、1年間の豊穣は何にも増して切実な願いだったのかもしれないですね。
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