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ハチとり

先日実家に帰省した時にちょうど父がハチとりをするということだったので、同行してきました。春野町全域かはわかりませんが、私の実家付近では昔からこの時期になると山の地面に穴を掘って巣を作る黒スズメバチ(通称:カナンバチ、カナンバ)を採ってきて食料にしています。

まずカナンバの巣を探すのが大変です。どこの地域でも同じなのかはわかりませんが、うちの場合は、山(ほぼスギやヒノキの人工林)に何ヵ所か生の魚や鶏肉を置いておいて、それを運ぶハタラキバチの行く末を観察して、それぞれのハチが向かう方向の直線状の交点にあたる付近を目視で探すという鬼のように忍耐力がいる作業で探します。もちろん山の仕事をしているときに偶然見つけるときもあるようです。

そうして探し当てた巣の入り口に、ハチとり用の煙幕(市販されています)を差し込み、ハチの意識がもうろうとしてきたところを掘り出します。この時、ハチは一時的に失神しているだけなので、巣の位置が奥まっていたり分かりづらかったりして掘り出すのに手間取っていると、総攻撃に遭うので注意が必要です(黒スズメバチは気性はそんなに荒くないですが、さすがにそこまですると刺してきます)。掘り出す時間はハチが比較的巣に戻っている夕方以降が望ましいですが、暗い中でこんな作業をしたくないので時間との勝負です。

掘り出してきた巣は布の袋に入れ、そのまま蒸し器に放り込みます。ある程度蒸したら、巣を新聞紙やバットの上に広げ、中のハチたちを手作業で取り出していきます。想像するだけでわかると思いますが、恐ろしく手間がかかります。こうしてようやく食材のかたちになったハチたちは、醤油や酒で甘めに煮た後にハチご飯にするのがほとんどです。「おいしいの?」と思う人もいるかもしれませんが、昔からずっとこんなに面倒くさい作業が続けられてきたというのが納得できるくらい(私は)好きです。

説明が難しく、長文になってしまいました。。

これは自分のためでもあるのですが、日用雑貨のこしらえ方とか、水源の管理の仕方とか、炭焼きの技術とか、魚や小動物の昔ながらの捕まえ方とか、こういう農山村の中でさえも知識がある人がいなくなれば廃れてしまうような習慣や技術の文章化・伝承に一役買えるような仕事もできたらいいな、と思っています。