水窪の文化会館(図書館)で、現在、JR飯田線の企画展示が行われており、かつての写真や駅名板など貴重な資料が展示されています。その中で、「カネト―炎のアイヌ魂」という本が紹介されていました。飯田線の前身である三信鉄道の測量士として、天竜峡谷沿いの鉄道路線の建設に尽力した川村カネトの奮闘ぶりが描かれています。川村カネトは北海道旭川のアイヌの生まれで、当時蒸気機関車がひかれたばかりの北海道で鉄道会社の測量士として働いていましたが、その能力と勇敢さを高く評価され、三信鉄道の難所である天竜峡谷沿いの鉄道建設にアイヌ測量隊のリーダーとしてはるばる北海道から招かれることになります。
飯田線の建設にアイヌの人たちが関わっていたというのがまず驚きでしたが、それ以上に、当時和人からいわれのない差別を受けていた彼らが、その勇敢さを買われこの天竜川の奥地で鉄道路線を引くという偉業を成し遂げたというのは、とてつもなくドラマがある話だと感じました。
なにより、自分自身、思い入れのある北海道と飯田線につながりがあったことを知り、うれしく思いました。これは後世に残したいな、と思わせてくれる史実でした。
川村カネトは、天竜峡谷で鉄道建設の仕事を達成したのち、故郷旭川で川村カネト記念館を設立し、アイヌ文化の保存・発信に尽力したとのことです。現在も記念館は営業しているようですので、是非一度足を運んでみたいです。
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高柳俊男 (火曜日, 14 7月 2020 11:01)
こんにちは。
栗島洸さんのことは、この春から水窪協働センター勤務となった知人からも耳にしています。
前職を投げ打って地域おこし協力隊員になられたのには、きっと深い思いがあるのであろうと推察しています。その思いを大いに発揮され、水窪地域の活性化のために尽力してくださることを期待しています。
『カネト―炎のアイヌ魂』は、毎日新聞記者であり、歴史に深い関心をもつ澤田猛さんの、遠州と信州に関する多くの労作のうちの一つですね! これをもとにした合唱劇が飯田線沿線各地の公民館や学校で上演され、水窪文化会館でも4年前、水窪小学校や、その年度で閉校となる城西小学校の児童たちも出演して行われました。
気になることは、この本をはじめ、浜松などに関する多くの良書を出してきた舞阪の「ひくまの出版」が数年前、倒産してしまったことです。この本など、まさに「後世に残したい」本をどこかの出版社が引き受けて、これからも気軽に手に取れる形になるといいですね! 北海道にアイヌ文化を伝える「ウポポイ」(民族共生象徴空間)がオープンしたいま、その需要は増しているのではないでしょうか?
経営していた那須田敏子さん・稔さんご夫妻は、何か考えていらっしゃるのかどうか…。
栗島 洸 (水曜日, 15 7月 2020 00:35)
>#1 高柳俊男 様
こんにちは。温かくもったいないお言葉、ありがとうございます。
遠州の文化等について非常に造詣が深い方とお見受けしました。色々と勉強になります。
ひくまの出版は昔から耳にはしていたのですが、倒産してしまっていたことは知りませんでした。児童書など子供に向けた文学を出版する会社がなくなっていくのは残念でならないです。デジタル化の時代とはいえ、紙で読むことでしか得られない感覚もあるでしょうし、何より本への思い入れが確実に違ってくると個人的には思っています。本が売れない時代の流れは止められないかもしれませんが、下火でもいいのでこういった良本は引き継がれていってほしいと思います。
本題とは関係ないですが、協働センター勤務の知人の方、私の間違いでなければ仕事でご一緒することがあります。早速活躍されていますよ。
機会がありましたら是非また水窪にもいらっしゃってください。
栗島 洸
高柳俊男 (月曜日, 20 7月 2020 15:59)
はい、ありがとうございます。
小松屋さんで、生クリーム入り栃大福とコーヒーをイートインしながら、置いてある水窪関係の本などを読む機会がまた訪れることを楽しみにしています。
前回「国盗り」で買った、藤枝北高等学校の生徒さんたちによる水窪応援商品の「たかきびキーマカレー」も、おいしくいただきました。
栗島 洸 (火曜日, 21 7月 2020 11:42)
>#3 高柳俊男 様
栃大福、いいですね。たかきびキーマカレーはまだいただいたことがないので、今度購入してみます。
栗島洸